チームJul 26, 20196 分 READ

単なる「リモートワーク」ではなく、「リモートファースト」の文化を育むためのヒント

Rose Jen

プロダクト マネージャー

リモートワークの文化

CircleCI のプロダクトマネージャーの Rose Jen です。私がCircleCI で多くのインタビューを受けてきた中で、もっとも多かった質問は「CircleCI のリモートで働くチーム文化について教えてください」というものです。

私は以前、リモートワークを許可している企業で働いていました。この会社では、リモートからの作業を可能にするためのツールを提供していました。ある時、同じ場所で働くチームメンバーが引っ越しすることになり、やむを得ずに、分散したチームになったことがあります。結果、リモートで働いているメンバーが疎外されたような感じになり、他のメンバーとの間に距離ができてしまいました。この経験から、私は、最初は分散したチームで作業することをためらっていました。特に、コミュニケーションが困難になり、チームから切り離されていると感じてしまう恐れがあるためです。しかし、CircleCI で勤務してからは、分散していても一体感ある働く文化を構築しようと会社が前向きに取り組んでいることがわかり、多くの懸念が解消されました。そして、CircleCI での経験を通じ、会社によってリモートワークに対する取り組みの違いと、従業員がリモートで作業することを単に許可するだけでは十分でないことを学んだのです。

CircleCI は設立当初からチームが分散していましたが、サンフランシスコに本社があります。世界中のチームメイトが、つながり合い、チームとして活動し、そのための支援を受けていることが感じられるように、CircleCI では、「リモートファースト」の文化を構築するべく日々努力しています。リモートワークを単に許可しているチームと、リモートファーストを目指しているチームの違いは、細かい用語の解釈のように聞こえるかもしれませんが、実際、雲泥の差をもたらします。リモートファーストとは、従業員がリモートで働くことが、単なる思い付きでないことを意味します。リモートファーストとは、使用するツールだけではなく、全ての従業員が最も生産的に働くことができるようにし、リモートワーカーにとってインクルーシブな環境を構築できるように、企業文化を意識的に計画することを意味します。

組織でリモートファーストの文化を育むことを検討している方に役立つ 5 つのヒント:

会議は、ビデオ会議を標準とする

CircleCI ではビデオ会議を積極的に活用しています。ビデオ会議を行わずに CircleCI で仕事をすることは不可能です(Zoom を使用)。さまざまな勤務形態の従業員が最大限にその力を発揮できるように、ビデオ会議ツールの使用については非常に具体的な施策を講じています。まず、企業として、ビデオ会議で使用するハードウェアとソフトウェアに多額の投資をしています。CircleCI のオフィスのすべての会議室は完全にビデオ会議に対応しています。従業員には、高速インターネット接続回線にアクセスし、通話中には別の誰かの声が聞こえることがなく、明瞭に音声が聞き取れ、動画を見ることができる場所で仕事をすることが求められます。また早い段階で、すべての従業員に Zoom アカウントのアクセス権限を付与することを選択したため、すべてのチームメンバーは、大規模なブレインストーミングでも、ちょっとしたチャットでも、Zoomで会議に呼び出すことができます。

CircleCI では、ビデオ会議から情報を発信する方法も採用しています。すべてのイベント招待に Zoom のリンクを追加しており、参加者はどこにいても会議に参加できます。CircleCI では、異なるタイムゾーンでチームメンバーが働いており、会議に参加できない場合、会議を記録しておき、後で表示できるようにするという一般的なルールがあります。これにより、すべてのタイムゾーンのユーザーが、自分に合った方法で 1 日の仕事を柔軟に管理できます。

アクセスしやすく、文書化されたチームミーティング

CircleCI では、ほとんどの製品開発チームが、計画ミーティング、デイリースタンドアップ、ブレインストーミング、設計レビュー、およびレトロスペクティブ(振り返り)など、毎週さまざまなミーティングを行っています。これらはすべて、ビデオ会議で行われます。ミーティングの種類によっては、誰もがリアルタイムでアクセスできるデジタルツール(Google ドキュメントなど)も利用します。これにより、議論が活性化し、決定事項を文書化できます。たとえば、Google ドキュメントを使用して、ブレインストーミングやレトロスペクティブのディスカッショントピックの概要を説明します。計画ミーティングとスタンドアップでは、CircleCI では成果と進捗状況を示す共有 Jira ボードに移動し、議論している間には、全員がリアルタイムでフォローできるようにしています。設計レビューには、デザインプロトタイピングツールの Invision を使用します。これにより、チーム全体でデザインを共有し、チームメンバーがコメントすることができます。これらは、チームメンバーがどこにいても生産的な会議を実施するために役立っています。個人的には、チーム全体が同じ会議室に集まって議論していたあの頃を懐かしく思うことはありません。利用できる会議室を見つけるのに四苦八苦することから解放されたことは歓迎するべきことだと思っています。

文書が大切!

優れた文書が嫌いな人はいないでしょう。リモートファースト環境では、自分と同じ場所にいないチームメンバーにとって不利になる恐れがある物理的な要素に特に注意する必要があります。少数のメンバーが同じ部屋で打ち合わせをしている場合、簡単な概念図やポストイットなど、リアルタイムで発生する要素が必ずありますが、CircleCI では、会議室で行われたブレインストームの結果を文書化してチーム全体で共有できるようにしています。図、ロードマップ、およびその他の成果の写真を撮って共有し、誰でも後でアクセスできるようにしています。離れた場所にいるチームメンバーが単に聞き役に回るのではなく、リアルタイムにミーティングに参加できる方法を探します。Zoom は、電話会議内で操作できるコラボレーションホワイトボードを提供しています。最高のツールを使用しても、リモートメンバーが実際に同じ場所にいるかのようにミーティングをすることが難しいことも多くありますので、関係者全員のマインドフルネスと創造性が必要となります。

記録されないインフォーマルな会話は不要

これは、同僚と顔を合わせたり、休憩所で話することができないという意味ではありません。ただし、業務関連の会話があり、その内容がデジタル媒体に記録されていない場合、何らかの方法で、後で記録する必要があります。サマリーをチャットしておく、短い文書を書いておく、また、別の方法を見つけて、リモートのチームメンバーも情報を参照できるようにします。また、質問したい場合でも、特定のトピックについてのチームの認識をすばやく合わせておきたい場合でも、チームメンバーが即席のビデオ会議を開いて、インフォーマルな会話をすることをお勧めします。場所に関係なく、簡単な課題であっても、1 対 1 のチャットでしか解決できないことがあります。

一緒に過ごす時間を計画する

可能な場合には、さまざまな場所で働いているチームが一堂に会する機会を設けてください。遠く離れた同僚と会って一緒の時間を過ごすことができるということは、本当に素晴らしいことです。CircleCI では、チームが少なくとも 1 年に 1 度はどこかで集まることができるように計画を立てています。詳細な実行計画と予算が必要になりますが、優れたチームを構築するための投資として価値があることです。

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ここで紹介した方法は、チームメンバーが分散して働いている企業のための決定版のガイドではありません。これは、分散して働いている CircleCI のチームと一緒に働いているときに、私と同僚に大きな違いをもたらした手法です。CircleCI では常にプロセスを再評価し、改善できる点がないか探しています。物事は必ず変化します。たとえば、CircleCI はグローバルな拡大を続けており、「分散」が意味する環境が変わりました(たとえば、メンバー間の時差が 1 時間のチームと 8 時間のチームでミーティングする場合、サンフランシスコのメンバーが一日の早い時間にミーティングをスケジュールし、南北アメリカやヨーロッパのチームメンバーのスケジュールに対応させることになります)。これらの環境の変化は、ツールの使用方法を変更し、反復と改善を継続する機会にもなりました。まとめになりますが、リモート勤務をより積極的に取り入れることを検討されている場合は、オープンマインドで、自社に最適な方法を見つけるために試行錯誤することをお勧めします。

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