過去 10 年間にわたり、私は男性中心の環境で仕事をしてきました。その間、失礼な人や中傷してくる人にも数多く遭遇しましたが、幸い、私を支えて応援してくれる人たちにもたくさん出会うことができました。100%完璧な会社など存在しませんが、CircleCI では楽しみながらキャリアを伸ばすチャンスに恵まれています。それは、私自身の頑張りの成果でもありますが、多くの同僚がサポートしてくれたことが非常に大きかったです。同僚たちは、メンターや後ろ盾として日々の小さなアクションによって成長を支援し、私を後押しくれました。 同僚たちのアクションが変化を生みだしたのです。 立場や役職にかかわらず、皆さん自身にも変化を起こす力があります。インクルーシブなチーム作りを目指すとき、メンバーの 1 人ひとりの姿勢しだいで、チームの力は強くも弱くもなるのです。まずは小さな取り組みから始めましょう。

メモ: もしも皆さんが組織のリーダーを務めているなら、だれもが温かく迎え入れられるような環境を意識的に作っていく責任があります。従業員の自主性に任せているだけでは、IT 業界のダイバーシティとインクルージョンの問題を包括的に解決することはできません。

ここからは、私のキャリアにプラスの影響をもたらしたチームの同僚たちの具体的なアクションについて、ほぼ時系列に沿って紹介していきます。参考にしてください。

まず、私の後ろ盾となってくれたのが Justin です。私を CircleCI に推薦し、エンジニアリング担当 VP の Jeff に紹介してくれました。Justin は最初のきっかけをくれた恩人です。

次に、Jeff が思いもよらないアクションを起こしてくれました。正式に求人に応募する前に、内々のランチ面談を行い、そのとき以下のように対応してくれたのです。

  1. 少し前まで何人も人材を採用していたのに今は求人を出していないタイミングなので申し訳ないと謝る
  2. 仕事上の知り合いに紹介することを提案してくれる
  3. その言葉どおり、知り合いに私を紹介してくれる

当時の私はコーディングの短期集中講座を修了した直後で、IT 業界ではほんの駆け出しの状態でした。そんな私に Jeff は配慮してくれただけでなく、最終的には CircleCI で働くように誘ってくれたのです。私の答えはもちろん、イエスでした。

入社して最初の 1 年間は、同僚の中の取りまとめ役が 技術面のメンターとして指導してくれました。Rishi は必須スキルを細かく分類し、プロジェクト管理ツールの JIRA を使用してスキルの習得目標を常にかんばんボードで示してくれました。また、問題の掘り下げ方と、検証すべき箇所を判断する方法を指導し、問題点を修正するためには壊すことを恐れてはならないと教えてくれたのは同僚の An でした。Matt は、何も知らない私がつまらない質問をしても丁寧に答えてくれました。Phil はさまざまな質問に答えるとき、過去の経緯まで完璧に教えてくれました。彼から教わったことは、コンテキストや、コードベースの変遷に始まって、現在では標準となっている人気の各種プログラミング体系がどうやって発展してきたかにまで及びます。彼が Emacs ユーザーだったのには驚きましたが、だれだって完璧ではありません。

仕事でストレスがたまると (CircleCI はすばらしい職場ですが理想郷ではありません)、Tad や Eugene、Kyle といったメンバーが私をコーヒー ブレイクに誘い、相談に乗ってくれました。実に的確なアドバイスがもらえて、目からうろこが落ちるような思いがしたものです。

その最初の 1 年の間、多くの同僚が私をサポートし、やりがいのある仕事を任せてくれました。そうしながら、社内でのダブル チェックが不要になり、私が「ソフトウェア エンジニア」として胸を張れるようになるまで成長するための場所を与えてくれたのです。

1 年間、同僚たちは本当に辛抱強く私を見守ってくれました (繰り返し質問し、負担を増やしてばかりいたので、さぞかし忍耐力が鍛えられたことと思います)。中でも大いに助けられたのが、私のチームへの貢献を認めてくれたことです。成果を認めるのに大げさなことは必要ありません。以下のような同僚のちょっとした態度や言動が、私にとって励みとなりました。

  1. 拍手の絵文字を付けて、プル リクエストへのコメントで私のコードの良い部分をほめる
  2. 従来のひどいコードを私が書き直したことについて、いつも助かっているとお礼のダイレクト メッセージを送る
  3. 感謝のコメントを集めた Slack のチャンネルに、私の作成したドキュメントがとても参考になるから他のメンバーもぜひ利用するようにと投稿する

ここまで挙げたのはポジティブなやり取りばかりですが、ごくたまにではあるものの、社会人としてふさわしいとは言いがたい、度を越した同僚の言動によって、不快な思いをさせられたこともあります。そうしたときには、私がマネージャーに対して声を上げ (ときにはマネージャーが先に気付いて)、マネージャーがすぐさま間に入ってくれました。良好な関係を築くには、相手をサポートすることが重要になります。

しかし度を越した言動を相手に取ってしまった場合には、素直に耳を傾け、改めることも大切です。ほとんどのケースでは、不快な思いをさせていることに本人はまったく気付いておらず、原因となった行動を改めようとしてくれました。早い段階で今後の対策が提示され、事態が悪化する前に不快な言動が改善されました。

このように私を尊重し、自主性を認め、成長を後押ししてくれる環境の中で、入社 2 年目を迎えました。この年、私は新たな課題に直面します。新しい仕事仲間や、新しいチームでの業務、新しいコードベースに対応することに加え、自身のレベルアップ目標を設定し、それを達成する必要があったからです。このときも、私は同僚に助けられました。

システムの相関性や、各ライブラリの用途など、私が技術的な概念について理解を深めようとしたときには、通常ペアを組んでいた John が学習をサポートしてくれました。彼は猛然とキーボードをたたき、画面いっぱいに複数の tmux セッションを開いてアクセスしながらも、私の誤解を正し、日々新しい概念とツールについて教えてくれました。しかもその間、1 歳になる彼の子を起こさないように抱っこひもで胸に抱えていたのだから奇跡としか言いようがありません。しかし John もまた、困ったことに Emacs ユーザーでした。完璧な人はいないのです。

2 年目の後半には、私は Eric の推薦でチームのデリバリー レビューの責任者となり、その後間もなくチーム リーダーの代行を務めるようになります。またしても、特段の資質があるわけでもない未経験の分野でした。そして、このときもまた、同僚たちが私をサポートし、成長と自信獲得につながる環境と課題を与えてくれたのです。

Nathan はミーティングで敢えて技術的な質問を私に投げかけ、込み入った状況を切り抜ける方法について教えてくれました。また、私がリモート ミーティングで場を盛り上げるために、ぎこちないジョークで笑いを取ろうとしていたとき (参加者が押し黙っていて、聞いている人の反応がわからなかったとき) には、特に沈黙が長くなると、Brady がムード メーカーを買って出てくれました。Marc は私のために新しいコードベースの短期集中講座を開いてくれただけでなく、私と仕事ができることを喜んでくれ、私のおかげでチームがまとまったと言ってくれました。

比較的規模の大きな、組織全体でのミーティングの際は、Nate が私のコメントを補足して私のアイデアの信頼性を高めると共に、参加者の理解を促してくれたので、より大きな成果を収めることができました。さらに、Bear はチーム間のコラボレーション作業の功労者に私の名前を挙げてくれ、Pat は私の橋渡し役としての仕事に感謝の言葉を贈ってくれました。

このころの私はとにかく余裕がなく、ミスをしては面倒を起こしてばかりいました。問題を何事もなく収め、より良い方向へと軌道修正できたのは、同僚の協力の賜物だと言えるでしょう。私が起こした面倒はたまたま起きただけであり、だれでもやってしまいかねない間違いとして扱ってくれました。普段の私は、それほどミスをすることはないのですが、当時落ち込まずに済んだのは周りの人たちのおかげです。

私には頼れるメンターや後ろ盾となる人がいて、応援されていることを実感できました。ダイバーシティの問題は、私たちの業界で今後も取り組んでいく必要のある課題です。不平等の解消は、努力してもなかなか進まず、遠い道のりのように思えるかもしれませんが、まずは小さな取り組みから始めましょう。たとえば、コードのレビューを行う際は、すばらしいと思った点についてコメントしてみてください。また、おとなしい仕事仲間に対してミーティング中に意見を求めたり、面白いアイデアを出した同僚を積極的にほめたりするのもよいでしょう。やってみようと思われた方は、こちらのビンゴ カードに書かれたアクションから取り組んでみてください。1 人ひとりのアクションが大きな変化へとつながり、だれもが働きたくなるようなインクルーシブな職場環境が実現するのです。

ここで紹介した変化を私と一緒に起こしたい方、そして、きわめて優秀な仲間と最高のコードを完成させたいと思う方は、CircleCI の採用情をぜひご確認ください。

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