アプリ開発が進む昨今、ソフトウェア開発キット (SDK) という用語を目にしたことがあるのは開発者だけではないのではないでしょうか。SDK がアプリ開発で重要な役割を果たす方法をよく理解することは、どの部署であってもメリットがあります。
本記事では、SDK とは何で開発においてなぜ必要なのか、そのメリットやAPIとの違い紹介していきます。
SDK -「ソフトウェア開発キット」とは?
SDKとは「Software Development Kit」の略称で、Webサイトやアプリケーションの開発に必要なツール一式が含まれています。
SDK ツールには、開発者が使用して独自のアプリに統合できるライブラリ、ドキュメント、コード サンプル、プロセス、ガイドなど、さまざまなものが含まれます。従来はソースコードの記述やプログラミング構築など、全てを開発者自らが行う必要がありました。しかしSDKを利用することで、それらの必要な要素を補うことができ、開発者の負担を大幅に削減することができます。
SDK の例
SDKの代表的な例に「Android SDK」と「Microsoft Windows SDK」が挙げられます。
Android SDK
Android SDK (ソフトウェア開発キット) とは、スマートフォン スペースで Android プラットフォーム用のアプリケーションを開発するために使用される開発ツールのセットです。 Android SDK には次のものが含まれます。
- 必要なライブラリ
- デバッグツール
- エミュレーター
- Android APIの関連ドキュメント
- サンプル ソース コード
- Android OS のチュートリアル
また、Android SDKでは基本的に「Android Studio」を使用してインストールされる場合が多いです。Android Studioには、デバッガやエミュレータなども含まれています。詳しくは「Android Studio」をご覧下さい。
Microsoft Windows SDK
そしてMicrosoft Windows SDKは、Microsoft Windowsで動作するアプリケーションソフトウェアを作成するためにマイクロソフトが無料で公開している、ソフトウェア開発キット (SDK) です。こちらには次のものが含まれます。
- Windows APIを利用するために必要なヘッダファイル
- ライブラリ
- ツール
- サンプルソースコード
このように使うSDKによって異なるツールが搭載されていることがわかります。Android SDKとWindows SDK以外にも、「iOS SDK」や 「FBX Software Development Kit」、「Unreal Development Kit・udk」などのSDKが各プロバイダーにより提供されています。
SDK が必要な理由
では、なぜ開発者はSDKを必要とするのでしょうか。 SDK がなければ、開発者がゼロから開発を行う必要があるため、時間や労力など大きな負担がかかります。SDK を使用することで、新しいツールを効率的に作成できるだけでなく、すべてが事前に構築されているため、一般的な開発タスクを簡潔化できるのです。
SDK と API の違いとは?
SDK と API は同じ場面で登場することが多いので、その違いに混乱してしまうかもしれません。ですが、実際のところその違いは単純かつ決定的です。
SDKは開発を行うためのツールが詰まったキットです。一方、APIは「Application Programing Interface」の略で、ソフトウェアやプログラム、ウェブサービスを繋ぐインターフェースのこと指します。例えば、複数の異なるバックエンドを持つアプリケーションを構築する場合、それぞれの機能を繋ぐ役割をするのがAPIです。
開発者が SDK を使用してシステムを作成し、アプリケーションを開発する場合、新しいアプリケーションを一から作成する場合はSDKを、既にあるアプリに特定の内容を追加したり、アプリケーション同士を連携させる場合にはAPIを使用するのが良いでしょう。
SDKのメリット
SDKが必要な理由やAPIとの違いについて紹介してきましたが、では実際にSDKを使うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは代表的な4つのメリットをご紹介します。
開発スピードが速い
すべての新機能をゼロから開発すると膨大な時間がかかります。SDK を使用すると、開発者は事前にコード化された機能を簡単かつ効率的に統合できるため、開発スピードが上がり時間が短縮されます。
経費を抑えることができる
SDK の初期費用は、自分で機能を構築するよりも高く感じるかもしれません。しかし実際は、既存の SDK を使用することで、エンジニアリング時間やコードの維持、更新に必要なコストが大幅に削減されます。
豊富なカスタマイズ
多様なユースケースにおいて、SDK を活用することができます。 SDK でアプリを調整することで、よりパーソナライズされたユーザーエクスペリエンスを作成できます。
ユーザーエクスペリエンスの向上
ソフトウェアが安定していて、問題やバグがない場合、優れたユーザーエクスペリエンスを得ることができます。開発者は、適切に構築された既存のSDK を活用することで、アプリを他の製品とシームレスに連携させ、スムーズに動作させることができます。
CircleCI コンフィグ SDK
CircleCI が持つ「CircleCI コンフィグ SDK」 はオープンソースであり、いつでも開発へのご参加をお待ちしております。ガイドラインとリリースプロセスについては、 コントリビューションガイドをご覧ください。
まとめ
SDK は、開発時間を短縮し、優れたアプリケーションを作成するために必要なリソースを提供します。開発者であろうとマーケティング担当者であろうと、SDK のメリットを受けることができますが、アプリケーションを本当に輝かせるためには、適切な SDK を選択することが重要です。