ビジネスモデル という言葉を頻繁に聞く方も多いのではないでしょうか。よく耳にはするものの、具体的にはどのような意味を示すのか明確ではない、と言う方もいるかと思います。
このブログでは「ビジネスモデル = 企業にとって利益を生み出すための仕組み全体」という考え方を元に紐解いていきます。
ビジネスモデル目次
ビジネスモデル (Business Model)とは?
ビジネスモデルとは、先ほど記述したように「企業にとって利益を生み出すための仕組み全体」をビジネスモデルとした時、具体的にその仕組みとは何を示すのでしょうか?
この仕組みで大切なのは、会社の利益を上げる上で誰に (Who)、何を (What)、どのように (How) 提供するのか、そして なぜ(Why) それが必要なのかを考えることです。
- 誰に (Who): 顧客
- 何を (What): 顧客に何を提供するのか
- どのように (How): 価値提案はどのように作られるのか
- なぜ(Why): なぜそれが利益につながるのか
ビジネスモデルの可視化に役立つ「BMC」
ビジネスモデルキャンバス BMCとは、ビジネスモデルを作るにあたって必要な9つの要素を可視化したものを示します。
この9つの要素は顧客関係や収入構造、チャネルなどから構成されており、それぞれの関係性を可視化することでビジネスモデルを作る際に役立ちます。それでは各項目には何を書けばいいのか、簡単にご紹介していきます。
顧客セグメント
どのような顧客に届けるのか。顧客は今どのような状況にいて、何を必要としているのかを書き入れます。
顧客関係
ビジネスには欠かせない重要要素です。どのように顧客とのリレーションを作るのかを書き入れます。
提供価値
自社の提供するものが顧客にどのような価値を与えるのか、客観的に考えて書き入れます。
チャネル
では、実際にどのように顧客へ届けるのか、広告の方法や販売経路を書き入れます。
収入構造
収益までのプロセスを考えます。顧客が実際に手に入れたいと思うであろう価格設定、それが収益に繋がるかどうか、全体の流れを考えて書き入れます。
費用構造
現在どのくらいの費用がかかっているのか、コスト削減をできる箇所があるかどうかを考えます。
業務活動
ビジネスを行っていく上で必要な業務活動、さらに強化する必要がある業務活動を書き入れます。
経営資源
人的、金銭的なリソースを含め、自社が持っているシステムリソースなど、あらゆる可能性を書き入れます。
提携先
アライアンス先や業務委託先など、ビジネス上で必要な提携先を書き入れます。
ビジネスモデルの作り方とは?
では、実際にビジネスモデルを作るにはどうしたらいいのでしょうか。ビジネスモデルを作る上では下記の4つのステップが欠かせません。各ステップについて詳しく紹介していきます。
ステップ1: 関連する業界のビジネスモデルを分析する
まずは、業界のビジネスモデルの分析から始めます。競合他社はなぜそのようなビジネスモデルを作る必要があったのか、業界に足りていないものは何かなど、細かく分析することで業界全体の特性が見えてきます。
そしてこの「業界の特性を理解する」ということは自社のビジネスモデルを作る上で重要な要素となります。
ステップ2 : ビジネスモデルのアイデアを大量に考える
業界の特性を理解した後は、「新しいビジネスモデル」のアイデアを大量に考えます。アイデアをより多く出すことで、ビジネスの成功率が上がります。
他社のビジネスモデルから成功事例を引き出したり、複数の事例を組み合わせたりしながら、少しでも多くのアイデアを考えます。
ステップ3 : 付加価値が高いビジネスモデルをブラッシュアップする
考えたアイデアの中で、顧客への付加価値がより高いビジネスモデルを選びます。考えたものが斬新なアイデアであっても、付加価値が低い場合には候補から外します。ビジネスで大切なのは、ユーザーの助けになる、悩みを解決するということなので、その要素が高いものを選んでいきましょう。
ステップ4 : 実現性を考え、ビジネスモデルを選ぶ
ブラッシュアップしたビジネスモデルの中から、実際に実現可能なものを選びます。技術や資金、法律など様々な観点から「実現性」が一番高いものを絞り出し、最終的に一つのビジネスモデルを選びます。
ビジネスモデルの作成と導入メリット
そもそもなぜビジネスモデルは注目されているのか、そのメリットは何なのでしょうか。
ビジネスモデルを作る、導入するメリットの一つ目は、「事業についての理解が深まること」です。ビジネスモデルの作り方でもご紹介したように、自社の事業のみならず競合他社の事業も分析することで、関連する事業への理解がより高まります。
そして二つ目は「事業内容に関わる話題が共有しやすくなること」。どのようなビジネスモデルがいいか、アイデア出しや議論を行う必要があるため、事業に関わるメンバーと話題を共有できたり、メンバーや関係者同士の意見交換が進むというメリットが生まれます。
さらには「問題点を見つけやすくなること」「事業の原点を振り返ることができる」という点もメリットに挙げられます。初期に作成したビジネスモデルを保存しておけば、将来的に何かトラブルが起こった際に原点を振り返る基点として使うことができます。
基本ビジネスモデルの種類一覧(タイプ)
販促モデル
「商品を作って販売する」という最もシンプルなモデルです。 メーカーや飲食店、農家やサロンなどが入ります。シンプルな分、より質の高い商品を販売することが重要です。
広告モデル
テレビ局がCMのスポンサーから掲載料をもらうというように、自社媒体に広告を掲載することで、掲載料をもらうモデルです。
サブスクリプションモデル
毎週、毎月、毎年など、一定のサービスを提供する代わりに、顧客に一定金額課金してもらう「継続課金型」モデルです。
近年ではアプリ等のみならず、食材や家具等様々なサービスがあります。
マッチングモデル
自分では製品・商品を持たず、顧客と商品を繋げるのがマッチングモデルです。 不動産仲介業が物件を紹介し手数料をもらう、クラウドソーシング会社がサイト利用ユーザーから手数料をもらう、など様々あります。
代表的なビジネスモデル成功例
最後に、「小売型ビジネスモデル」を成功させたコンビニエンスストアの事例を紹介します。
小型ビジネスモデルでは、何を、どこで、いつ売るかということが重要ですが、スーパーマーケットのように同じ商品を売る競合が多くある中でコンビニエンスストアが追求したのは、「便利さ」でした。他の店よりも便利である必要があったのです。
24時間営業、店舗数、気軽に入れる店舗サイズなど、顧客にとって便利であったからこそこのビジネスモデルは成功したのです。小売業の場合「何を (What)」にあたる商品での差別化が難しいことから、「どのように (How)」というところで差別化が必要になります。
これは小売型だけではありません。同じ製品やサービスを扱っていても、どのように販売するのかを考えるだけでより多くの付加価値を提供することができるのです。
ぜひ皆さんも自社のビジネスモデルを作り、自社の成功に役立てていってください。